真智の仲間たちの活動拠点である元小学校で、信也は尋問のような聞き取りを受ける。不快を押し殺しながら対応するが――。
[承前]
増子は顔をしかめて言った。
「内戦下ですよ。突然現れた人物の身元は気になります」
「わたしが望んでここに来たわけじゃない。あなたたちに連れて来られたんですよ」
「ではどうして、ここまで酒井さん親子と一緒だったんです?」
「たぶん真智さんはもう伝えていると思いますが、最初は軍事境界線を越えたところまで、道案内をするつもりだった。だけど、わたしもふたりと一緒に逃げるしかなかった」
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