進歩か保守かで選ばない、韓国「ポスト民主化運動社会」生まれが政治を揺さぶる

執筆者: 2021年12月3日
タグ: 韓国
エリア: アジア
進歩と保守、両陣営とも若者の取り込みに力を入れるが……(今年4月のソウル市長選、敗北した与党「共に民主党」陣営の選挙活動風景)   ©︎AFP=時事
韓国の若者は長らく進歩志向のはずだった。だが「ポスト民主化運動社会」は若者の意識も大きく変えた。2000年代以降生まれに政治志向を訊ねれば、多くは「進歩」を選ぶだろう。その意味で若者は、しばしば指摘されるような「保守化」をしているわけではない。この世代は関心を持った社会的イシューに対して投票するため、進歩政党にも容赦なく「ノー」を突き付けるのだ。

 今まさに、若者の政治意識は「進歩志向が強い」という韓国社会の常識が崩れている。

 韓国社会は、朝鮮戦争以降長らく韓国社会の主流として反共産主義を標榜する権威主義的な「保守」と、1980年代に登場し、人権と民主的プロセスを重視する「進歩」が争う政治構造が続いてきた。保守から進歩へ、進歩から保守へと政権交代が起き、政治における進歩と保守という対決構図は定着している。

カテゴリ: 政治
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top