ロシアはなぜターリバーンに接近するのか?
「イデオロギーなき国益」で動くプーチン式外交

プーチン大統領に「敵」も「同盟者」もいない(C)EPA=時事
ロシアは2001年に「ターリバーン」を倒すべくアフガンに侵攻したアメリカに協調したが、20年後、「ターリバーン」の再来を快く受け入れ、事実上彼らを正当な政権として承認したように見える。果たして、この驚くべき「掌返し」の背景にあるものとは――。

 

ターリバーンに接近するプーチンの掌返し

 2001年9月11日。同時多発テロのショックで揺らぐアメリカを落ち着かせようと、いち早くネブラスカ州にあるオファット空軍基地からホワイトハウスに帰ったジョージ・ブッシュ米大統領に、他の外国首脳より先に電話を掛けたのは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領だった。プーチン氏は米国民に哀悼と同情の意を表し、国際テロの根絶に向けてロシア側の全面協力を米政府に約束したと言う。

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カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
マクシム・クリロフ(まくしむくりろふ) 国際ジャーナリスト。1988年ロシア生まれ。モスクワ国際関係大学国際関係学部、一橋大学法学部卒。10年以上にわたり日本と中東を中心に国際情勢を取材し、カーネギー平和財団モスクワセンターへの寄稿も多数
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