大企業「大量離職」時代がついに始まる:入山章栄×清水洋「イノベーティブな日本に」(前篇)

執筆者:入山章栄
執筆者:清水洋
2022年2月21日
タグ: マネジメント
エリア: アジア
左から入山章栄氏、清水洋氏(撮影・新潮社写真部)
『世界標準の経営理論』などで注目を集める気鋭の経営学者・入山章栄氏と、イノベーション研究で最も権威ある国際賞の一つ「シュンペーター賞」を受賞した清水洋氏が語り合う経営学の最先端。2022年はベンチャーの給料が大企業を逆転する?

経営学の最注目テーマは「ベターワールド」

――経営学では、今年どのようなテーマが注目されていますか。

入山 世界でもっとも大きい経営学会「AOM(Academy of Management)」の今年のテーマは、「Creating a Better World Together」でした。ベターワールドというテーマは、SDGsの流れから出てきたものでしょう。1月のCES2022も、参加者から「ビジョン大会だった」と聞いています。「我々はこういう世界をつくる。そのためのテクノロジーがこれだ」と各社がベターワールドのアピールばかりしていたそうです。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
入山章栄(いりやまあきえ) 早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール教授。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科修士課程修了後、三菱総合研究所を経て、2008年に米ピッツバーグ大学経営大学院より博士号(Ph.D.)を取得。同年、米ニューヨーク州立大学バッファロー校ビジネススクール助教授に就任。2013年に早稲田大学ビジネススクール准教授、2019年4月から現職。専門は経営学。著書に『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』、『世界標準の経営理論』など。
執筆者プロフィール
清水洋(しみずひろし) 早稲田大学商学学術院教授。1973年神奈川県横浜市生まれ。一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。ノースウエスタン大学歴史学研究科修士課程修了。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスでPh.D.(経済史)取得。アイントホーフェン工科大学フェロー、一橋大学大学院イノベーション研究センター教授を経て、2019年に早稲田大学商学学術院教授に就任。主な著書に『ジェネラル・パーパス・テクノロジーのイノベーション:半導体レーザーの技術進化の日米比較』(2016年、有斐閣、日経・経済図書文化賞受賞、高宮賞受賞)、『野生化するイノベーション:日本経済「失われた20年」を超える』(2019年、新潮選書)などがある。
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