「仕組み債の運用で二十億円の損失」と聞けば、どこかの民間企業の話と思われるかもしれないが、さにあらず。ハイリスク・ハイリターン型の金融商品で大失敗したのは、東証一部上場企業を中心に構成される日本最大の経済団体「日本経団連」だ。 そもそも業界団体がなぜ投機に走ったのか。「事務局のある幹部が個人的に購入したところ儲かったため、二〇〇六年夏に運用担当の会計課長にも推奨したらしい」(関係者) 何やら責任転嫁にも聞こえる話だが、真偽はともかく、今回、会員企業からの年間五十億円ほどの会費収入の約四割を吹き飛ばす結果を招いたことは事実だ。それでも、「あくまで余資なので大勢に影響はない」(別の関係者)というのだから、よほどカネが余っているのだろう。会員企業は派遣切りまでしていても。
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