「ロシアとの距離」に揺れる中国、「ウクライナへの責任」に揺れるアメリカ(2022年3・4月-1)

訪米しウクライナ支援を求めた同国のシュミハリ首相と、米国防総省での歓迎式典で迎えるオースティン国防長官。米国と同盟国がウクライナに約束した軍事支援額は50億ドル超に達した(写真は4月21日) (c)EPA=時事
中国の秦剛駐米大使は「ウクライナを含むすべての国家の主権と領土の一体性」を尊重せよと論陣を張った。「ウクライナ」を「中国」に読み替えれば、それは台湾独立阻止の宣言だ。アメリカではバイデン政権の「統合抑止」に批判が向かい、グローバルパワーとしての能力が問題視される。ロシアの侵略という確実な悪は、米中それぞれの大テーマと避けようもなく結びつく。(第2部はこちらのリンク先からお読みいただけます)

1.ウクライナ戦争をめぐる中国の動き

 ウクライナの戦争は長期化の兆候を示しており、ロシアの侵攻開始直後に想定されていたような短期でのロシアの勝利、そして占領は実現しなかった。ウラジーミル・プーチン大統領は、第二次世界大戦の対独戦勝記念日の「5月9日」を、自らが勝利を宣言する日として設定している。それへ向けてマリウポリなど東部の主要都市への攻撃が激しさを増している。

 すでにロシア政府はこの戦争により、厳しい経済制裁の中で膨大な額の戦費と、想定外のロシア側戦死者という巨大な負債を背負っている。戦争継続は、中国がどの程度ロシアを支援するか、あるいはどの程度ロシアから距離を置くかによって大きく左右されるだろう。そのため、最近の論壇では中ロ関係やウクライナ戦争をめぐる中国政府の動向に注目が集まっている。

■「友情」がレアルポリティークの領域に適用されるとは限らない

 例えば、著名な冷戦史家でイエール大学歴史学部教授のO・A・ウェスタッドは、歴史的に回顧しても中ロが一枚岩となる可能性は低いと論じ、戦争初期の協力にも拘わらずいずれ亀裂が走るシナリオを示している[Odd Arne Westad, “The Next Sino-Russian Split?(次なる中露の分裂?)”, Foreign Affairs, April 5, 2022]。何よりも、中ロ両国とも、国内政治の力学によって外交が規定されている。歴史家のウェスタッドは、現在の中ロ関係が20世紀初頭の独墺関係に似ていると論じる。すなわち、衰退するオーストリア帝国(現在のロシア)が、台頭国のドイツ帝国(現在の中国)を意図せぬかたちで戦争へと巻き込んだというパターンと同様の動きが見られ、それを中国は回避するべきだと論じている。西側諸国に可能なことは、中ロ間の亀裂を深めることぐらいだ。冷戦期の中ロ関係を専門としてきたウェスタッドだけあり、鋭い指摘である。

 モスクワ国際関係研究所上席研究フェローで、中ロ関係が専門のイゴール・デニソフも同様に、中ロがつねに一体となって行動するわけではなく、ウクライナ問題に対する両国の姿勢の違いが浮き彫りになっていると指摘する[Igor Denisov, “‘No Limits’? Understanding China’s Engagement With Russia on Ukraine(「限界はない」? ウクライナ問題での中国の対露関与を理解する)”, The Diplomat, March24, 2022]。2月4日のプーチン大統領による北京訪問の際に発表された中ロ首脳会談の共同声明は、両国間の「友情に限界はない」と述べた。だが、共同声明で記されているような、両国が緊密な提携をする対象としての「共同隣接地域」は中央アジアを指しており、ウクライナはその地域に含まれない。また「限界がない」のはあくまで友情の領域であり、必ずしもそれがレアルポリティークの領域で常に適用されるわけではない。アメリカとの戦略的対立にまでこの「友情」が発展すれば両国の提携は強まるだろうが、地域紛争での提携にとどまる限りでは必ずしも両国が思考や行動を一致させるとは限らない、とする。

■「ロシアと一体」視されることへの躊躇

 それでは中国政府は、ウクライナ戦争をめぐるロシアとの関係をどのように位置づけているのか。

 ワシントンに駐在する秦剛駐米大使は、中国政府が事前にこの戦争について知っていたということも、水面下でロシアの軍事攻撃を支援しているというのも、いずれも「デマ」であると退ける[Qin Gang, “Chinese ambassador: Where we stand on Ukraine(中国大使ーウクライナにおける我々の立ち位置)”, The Washington Post, March 15, 2022]。もしも実際に戦争が勃発する危機にあると認識していれば、中国政府は開戦を阻止するために全力を尽くしたであろう。中国の姿勢は客観的かつ公平であり、国連憲章の目的と原則は徹底して遵守されるべきだと考えており、ウクライナを含むすべての国家の主権と領土の一体性は尊重されるべきだと論陣を張った。中国もまた台湾問題を抱えており、その独立を阻止するためにも、「主権と領土の一体性」を強調することで、台湾の独立に向けた動きやそれを支援するアメリカの動きを牽制する意向なのだろう。

 同様に、复旦大学国際問題研究院研究員の赵明昊は、ロシアによるウクライナへの侵攻は「戦略的意外(strategic surprise)」であったと論じる[赵明昊(Zhao Minghao)、「俄乌冲突与中美关系(ロシア・ウクライナ衝突と中米関係)」、『中美聚焦』、2022年3月22日]。中国は平和を求めていて、戦争には反対していた。そのような戦争の勃発は、中国が意図したものでもなければ、中国により制御可能なものでもなかった。平和が深刻な挑戦に直面している今こそ、中国とアメリカが平和を回復するために重大な責任を負っていると述べている。

 このような主張は必ずしも額面通りに受け止めることはできず、戦争回避の努力をしなかったという中国に対する国際社会からの批判を回避する目的での発信とも理解できる。ただし、いずれにせよロシアの侵略的行動と完全に一体として見られることに対して中国政府内で躊躇が見られることは明らかである。プーチン大統領が当初望んでいた、数日でキーウを陥落できるという楽観的な見通しの通りに事が進行しなかったことも、おそらくは中国共産党首脳にとって意外な展開であったのであろう。

 他方で、中国の『環球時報』の英字紙でもある、『グローバル・タイムズ』のコメンテーターの胡錫進によれば、中国国民はこのウクライナ戦争の推移や、経済制裁の影響を慎重に注視しているという[Hu Xijin “Chinese people keep ear to the ground during Russia-US showdown(中国人民は米露の対決を注視している)”, Global Times, March 4, 2022]。

 まさにこのロシアによる戦争を「試金石」として、そのインプリケーションが今後の国際情勢にも大きな影響を与えると認識している。中国から見ても、この戦争の推移によって中国の台湾に対する政策や対米関係における基本的な態度に大きな影響が及ぶと見ているのだろう。だとすれば、ロシアによるウクライナへの侵攻に関して、最初から中国政府の基本的立場が固定されていたわけではなく、戦局の推移に応じて柔軟に中国の態度が変わっていくことが推察できる。

 中国社会科学院ロシア東欧中央アジア研究所研究員の肖斌も同様に、ウクライナ戦争で中国がロシアにあまりにも近い立場に立つことを牽制する論考を発表している[肖斌(Xiao Bin)、「反思战争下的中俄关系(戦時下の中ロ関係を再考しよう)」、『中美聚焦』、2022年3月17日]。そこでは、中国独自の平和外交を進めていく必要性が説かれており、ロシアとの友好関係を維持することでそのような中国の平和外交を損なうべきではないと論じている。また、ウクライナ戦争後の国際秩序についても言及しており、これからの世界は「冷たい平和」、あるいは元の「不穏な平和」に回帰することになると論じる。ウクライナ戦争が中国の対外関係、とりわけ中ロ関係に巨大な影響を及ぼすことを想定するとともに、依然としてアメリカとの関係については抜本的改善の可能性は低いとみていることが分かる。

 ウクライナ戦争でロシアがその軍事力と経済力を疲弊させ、さらに国際社会での孤立を深めるなかで、よりいっそう中国への依存が強まることは自明といえる。ロンドン大学キングス・カレッジのアレシッオ・パタラーノ教授は、この戦争を通じて両国の紐帯がよりいっそう強靱なものになることに注目した[Alessio Patalano, “China can use Russia to build a new international order(中国は新たな国際秩序建設のためにロシアを使うことができる)”, NIKKEI ASIA, March 19, 2022]。

 そのことは、2月4日の中ロ両国の共同声明に示されている通りだ。ロシアがよりいっそう中国への依存を高めるということは、中国が自国にとって好ましい国際秩序を打ち立てていく上で、ロシアを利用することが可能となることを意味する。中国には、その長期的な戦略目標を実現する上で、ロシアを都合の良いパートナーとして利用できるというような発想も垣間見られる。

 それでは戦争終結へと進む上で、中国自らはどのような役割を担うべきだと考えているのだろうか。

 中国の研究機関の全球化智庫理事長で、国務院顧問も務めた経歴を持つ王輝耀は、ロシアのみではなくウクライナや西側諸国との結びつきも強い中国にとって戦争の継続は望ましくなく、むしろ停戦へ向けて仲介できる地位にあると論じた[Wang Huiyao, “It’s Time to Offer Russia an Offramp. China Can Help With That.(ロシアに出口を提供する時だ。中国はそれを助けられる。)”, The New York Times, March 13, 2022]。

 中国はロシアとウクライナの両国にとっての最大の貿易相手国だ。王は、そのような立場を活用して戦争終結への「出口戦略」を提示できるはずであり、世界の中で中国ほど停戦へ向けて重要な位置にある大国はないと論じる。今後の中国の行動が注目される。

2.アメリカはどのような戦略を選択するべきか

 ウクライナ戦争では、はたしてどのような戦略を選択することが最適であるのか。このような難しい問題が、アメリカ政府には突きつけられている。それをめぐって、さまざまな議論が展開されている。

■朝鮮戦争のアナロジーとして捉える視線

 オバマ政権下で2009年から4年間、NATO(北大西洋条約機構)大使を務めたアイヴォ・ダールダーは、冷戦時代にソ連に対して成功を収めた「封じ込め戦略」を現在のロシアに対して実施するべきだと主張する[Ivo H. Daalder, “The Return of Containment: How the West Can Prevail Against the Kremlin(封じ込め政策の再来―西側がクレムリンに勝つ方法)”, Foreign Affairs, March 1, 2022]。21世紀版の「封じ込め戦略」は、次のような3つの要素から成り立つ。第一にはロシアに対して十分な抑止力を構築することであり、第二には国際社会が結束してより多くの諸国が対ロシアの経済制裁を行うことであり、第三にはロシア経済を世界経済から切り離してデカップリングを進めることである。このようにしてロシアを封じ込めて、さらにグローバルなレベルでは中国との競争に勝利することが、アメリカに求められていることであると言う。

 アメリカの戦略として現在、繰り返し問われているのが、国力に制約があるアメリカが欧州とアジアという2つの地域のいずれを優先するべきか、である。

 これまでアメリカの戦略について積極的に発信してきたジョンズ・ホプキンス大学のハル・ブランズは、ロシアがもたらす脅威は中国がもたらすより大きな脅威の一部となっており、その両者が不可分に結びついていると論じる[Hal Brands, “Opposing China Means Defeating Russia(中国に抵抗するというのはロシアを打ち負かすということだ)”, Foreign Policy, April 5, 2022]。したがってブランズは、現在アメリカが中国と対立関係にあるのであれば、中国と一体となったロシアを打倒して勝利を収めることが必要だという。

 そのような中ロを一体とみなす議論は、戦争勃発当初から見られた。例えば、ジョージタウン大学教授のマシュー・クローニグは、アメリカがヨーロッパとアジアとのいずれを戦略的に優先するべきかという問いに対して、その双方との戦争を想定する必要があると論じている[Matthew Kroenig, “Washington Must Prepare for War With Both Russia and China(ワシントンは中国とロシアの両方との戦争に備えなくてはならない)”, Foreign Policy, February 18, 2022]。この両者を切り離すことができないからだ。

 またハル・ブランズは、マイケル・ベックリーとの共同執筆論文の中で今回のウクライナ戦争を朝鮮戦争のアナロジーとして捉えており、民主主義諸国が結束して対応するべきだと論じる[Michael Beckley, Hal Brands, “The Return of Pax Americana?: Putin’s War Is Fortifying the Democratic Alliance(パックス・アメリカーナの再来?―プーチンの戦争は民主主義同盟を強化している)”, Foreign Affairs, March 14, 2022]。朝鮮戦争の際には、北朝鮮の侵略を韓国に対する侵略と限定するのではなく、自由世界全体に対する攻撃として捉えた。それゆえその対応も、西側世界全体として行った。同様にして今回も、ロシアによるウクライナ侵略に対し国際社会全体として対応することが重要だ。また、経済制裁やサプライチェーンの再編などを通じて、戦略的枠組みを再構築することの重要性を指摘する。そして最後に、アメリカは直接的な軍事介入を避けて、あくまでもアメリカが軍事力行使をする優先順位を考慮する必要がある。これらに見られるように、ブランズはあくまでもグローバルな視野からロシアや中国の軍事行動に対抗する民主主義勢力の結集の重要性を強調する。

■グローバルな「新冷戦」を戦う国力はあるのか

 他方で、アメリカがどの程度の実質的、実効的にウクライナ戦争への対応ができているのかという問題もまた、冷静に論じられるべきであろう。

 共和党下院議員で下院軍事委員会に所属するマイク・ギャラハーは、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙に寄せたコラムの中で、バイデン政権下で起草され、最近発表された国家防衛戦略(NDS)でも中核に位置づけられた「統合抑止」について、批判している[Mike Gallagher, “Biden’s ‘Integrated Deterrence’ Fails in Ukraine(バイデン氏の「統合的抑止」、ウクライナで失敗)”, The Wall Street Journal, March 29, 2022]。

 ギャラハーによれば、抑止が成功するかどうかはアメリカが十分な軍事力を整備し、それを使用する意思があると相手国が評価したときに決まる。ところが、バイデン政権における統合抑止は、軍事力を強化せずにその行使を回避することを正当化するために用いられている理論であって、従来の拒否的抑止の放棄ともいえる。ギャラハーは、そのような統合抑止が機能しなかった実際の帰結が、ロシアのウクライナ侵略であると批判する。

 実際に昨年夏の米軍のカブール撤退に際しての混乱に見られたように、ジョー・バイデン大統領は軍事力の行使に強い抵抗感を示し、また軍事力以外の手段を用いて安全保障問題を解決することを好む傾向がある。ギャラハーが示すこのような懸念と批判は、共和党内の安全保障や軍事問題に精通した多くの議員や専門家に共有されているものといえるだろう。

 そのような共和党内のリアリストたちからの批判に加えて、軍事介入を嫌い、不介入主義を好む傾向が見られる論者からも、バイデン政権の外交に対する要望が示されている。

 クインジー研究所の共同創設者であり、現在はカーネギー国際平和財団に所属するスティーブン・ワーサイムは、ウクライナ戦争からアメリカは距離を置くこと、そしてロシアや中国との「新冷戦」を戦わないことを要求する[Stephen Wertheim, “The Ukraine Temptation: Biden Should Resist Calls to Fight a New Cold War(ウクライナによる誘惑 ―バイデンは新冷戦を戦うべきだという主張を退けなければならない)”, Foreign Affairs, April 12]。ウクライナで見られるロシア軍によって引き起こされた人道危機と、アメリカに対する安全保障上の脅威とは、異なる性質のものである。そしてワーサイムは、ハル・ブランズやマイケル・ベックリーが、ロシアと中国の双方を封じ込めるべきだと論じていることを批判する。ロシアが本当にヨーロッパにとっての脅威かどうかは断定できず、またこの2つの大国を封じ込めるための十分な国力がアメリカにあるわけでもないし、そのための国民の支持があるわけでもない。グローバルな「新冷戦」は、アメリカにとってあまりにハイ・コストであり、ハイ・リスクである。アメリカの国力をそのために浪費するべきではないと論じ、むしろアメリカはより優先順位の高い課題に取り組むべきだと述べる。

 ワーサイムと同様の主張をして、アメリカがウクライナ戦争へと深く関与することへの警鐘を鳴らすのが、ハーバード大学教授で著名な国際政治学者であるスティーブン・ウォルトである[Stephen M. Walt, “Hand European Security Over to the Europeans(ヨーロッパの安全保障をヨーロッパ人に委ねよ)”, “U.S. Grand Strategy After Ukraine(ウクライナ後の米国のグランドストラテジー)” Foreign Policy, March 21, 2022]。

 ウォルトは、「ヨーロッパの安全保障をヨーロッパ人に委ねよ」と題する論考の中で、ヨーロッパが自らの手で、ロシアの脅威に対応できるようにすることが重要だと述べる。人口や防衛費などの面でも、NATOの欧州加盟諸国には自らでロシアに対抗する潜在的な力が十分備わっている。ウォルトは、アメリカが今後も中国との競争に勝利するために、アジアに目を向けることが重要だと論じる。 

 中山俊宏慶應義塾大学教授は、ウォルトも論考を寄せている上記の『フォーリン・ポリシー』誌のウクライナ戦争特集の中で、アメリカが中国へと戦略的な焦点を定めることが重要だと述べ、アメリカの国力を考えるとウクライナ戦争への関与が可能な範囲は限定的であると述べる[Toshihiro Nakayama, “Maintain the Strategic Focus on China(中国への戦略的フォーカスの維持)”, “U.S. Grand Strategy After Ukraine(ウクライナ後のアメリカのグランドストラテジー)”, Foreign Policy, March 21, 2022]。

 確かにアメリカは、ヨーロッパとインド太平洋との双方で深く関与するための十分な国力を有してはいない。それゆえ、ロシアによる現状変更の試みに対して、これからはよりいっそう欧州諸国が自らの力で対応することが重要であり、インド太平洋でもアメリカの同盟国やパートナー諸国の自助努力が重要となるだろう。ただしウォルトよりも中山の方が、アメリカが国際的な責任を果たす必要性については前向きな姿勢がうかがえる。

 このように、アメリカ国内ではバイデン政権のウクライナ戦争に対する政策についてさまざまな見解が見られるが、中国のメディアはアメリカの政策を厳しく批判し、戦争勃発に対して、そして戦争がなかなか終結に至らない上でのアメリカの責任を強調するような論考を数多く掲載している。

『環球時報』紙の社説では、アメリカが武器売却により利益を得るためにあえて戦争を引き延ばしているとして、その責任をアメリカに押しつけている[「社评:对俄乌局势负有“特殊责任”的是华盛顿(社説 ーワシントンはウクライナ情勢に『特殊責任』を負う)」、『环球网』、2022年2月28日]。

 同社説は、ワシントンが戦争を最大限に利用して、そこから地政学的な利益を得ようと戦争終結を阻害していると批判した。「民主主義同盟」といった美辞麗句を用いて、国際社会の「特権階級クラブ」の「会員証」を与えようとするアメリカの手口はヤクザのそれと同じである。アメリカは、武器売却のような自国利益を最優先することで、戦争終結を妨げている、とする。それはいわば、戦争終結のため、ロシア政府へ十分な働きかけをしようとしない中国に向けられた批判をかわそうという試みともいえる。 (続く)

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
API国際政治論壇レビュー(責任編集 細谷雄一研究主幹)
米中対立が熾烈化するなか、ポストコロナの世界秩序はどう展開していくのか。アメリカは何を考えているのか。中国は、どう動くのか。大きく変化する国際情勢の動向、なかでも刻々と変化する大国のパワーバランスについて、世界の論壇をフォローするアジア・パシフィック・イニシアティブ(API)の研究員がブリーフィングします(編集長:細谷雄一 研究主幹 兼 慶應義塾大学法学部教授)。アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)について:https://apinitiative.org/
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