自衛隊最高幹部が語るウクライナ戦争(第2部)――プーチンの失敗が中国と北朝鮮に与えた現実認識
中国経済はロシア経済の10倍
岩田清文(元陸上幕僚長):次に、中国や北朝鮮が、今回のウクライナ戦争をどう評価して、どのような新たな現実認識を得ているかという問題について。もちろん推測にはなりますが、考えていきたいと思います。武居さんからお願いします。
武居智久(元海上幕僚長):まず、中国・北朝鮮ともに、戦略核兵器を持てば、非戦略核兵器による恫喝で対象国の行動を抑止できる、あるいは特定の行動を強要できると考えた可能性がある。ですから、岩田さんが仰ったように、中国は戦略核兵器の増強を急ぐでしょう。北朝鮮も、兵力差があっても戦い方次第では負けない可能性があると、勝手に思ったかもしれない。
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