「認知戦」の将来(上):米中露の違いと発達の歴史

執筆者:高木耕一郎 2022年7月30日
エリア: アジア 北米
巨大な陣容の中国人民解放軍(写真)だが、「智能化戦争」=「認知戦」戦略を積極的に導入しようとしている (C)AFP=時事
新しい戦争の形態として、近年注目を集める「認知戦」。米中露はこの20年でそれぞれこの概念を発展させてきたが、中国は戦争の特性を根本的に変化させ得るものとして重視する一方で、米国は数ある作戦の一つと捉えるなど、その位置付けには違いもある。(こちらの中編へ続きます)

 ソーシャルメディア、人工知能(AI)、神経科学などの発達に伴い、人間の脳の「認知」に影響を与え、相手の「意志」に影響を及ぼすことにより、戦略的に有利な環境を作り、あるいは戦うことなく相手を屈服させる「認知戦」と呼ばれる戦い方が注目されている。本年4月26日に自民党が発表した「新たな国家安全保障戦略等の策定に向けた提言」においても「認知戦」や「認知領域」という用語が用いられるなど、戦争における人間の「認知」の領域は、各国において注目を集めている。中でも中国、ロシア、米国において急速な発展が見られる。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
高木耕一郎 ハドソン研究所客員研究員。陸上自衛隊1等陸佐。1978年生まれ。北海道大学工学部卒、北海道大学大学院工学研究科修了後、2004年陸上自衛隊入隊。陸上幕僚監部防衛部防衛課防衛班、統合幕僚監部運用部運用第1課防衛警備班等を経て現職。最近の著作は、”Future of China’s Cognitive Warfare: Lessons From the War in Ukraine”, War on the Rocks (July 22, 2022) ; ”New Tech, New Concepts: China’s Plans for AI and Cognitive Warfare”, War on the Rocks (April 13, 2022)、「新領域から『バトル・オブ・ナラティブ』へ」(『戦略研究』、2020年)、「新領域に広がる将来戦と『戦場の霧』」(『国際安全保障』、2020年)、「新領域における将来戦」(『戦略研究』、2019年)、「無人兵器は何処に向かうのか」(『戦略研究』、2018年)など。
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