[エルサレム発(ロイター)]11月1日に行われるイスラエルの総選挙でベンヤミン・ネタニヤフが首相に返り咲くことがあれば、ある極右政治家に恩義を感じることになるかもしれない。政界で暴れ回るその人物の言動が、停滞するイスラエル政治に飽き飽きしている有権者を惹きつけているからだ。
極右政治家ベン・グヴィールとは
世論調査によれば、右派のベザレル・スモトリッチ率いる宗教シオニスト党と、同党と共同選挙名簿を作って共闘する極右イタマール・ベン・グヴィールの「オツマ・イエフディット(ユダヤの力)」は、議席数120の国会で合わせて13議席を確保する可能性がある。そうなれば、46歳のベン・グヴィールは、ネタニヤフの保守連立政権を実現する「キングメーカー」の地位を手に入れることになる。2007年に人種差別の扇動および米・イスラエルがテロ組織に認定したグループの支援で有罪判決を受けた男にとっては大躍進だ。同時にそれは「親しみやすい極右」という新たなブランディングの成功も意味する。
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