イスラエル極右政治家ベン・グヴィールは「キングメーカー」になるか

2022年10月23日
タグ: イスラエル
エリア: 中東
言葉遣いも改め、自分のイメージを穏やかな人物像に変えようとしているという   (C)REUTERS/Amir Cohen
イスラエルでは反ネタニヤフで8党を糾合したベネット連立政権の退陣を受けて、11月1日に総選挙が行われる。焦点は、ネタニヤフ氏率いる右派リクードが第一党に躍り出たとして、過半数を獲得するために如何なる連立交渉を行うかだ。そこでネタニヤフ氏が「カード」として使うのが、曰くつきの極右政治家だという。

[エルサレム発(ロイター)]11月1日に行われるイスラエルの総選挙でベンヤミン・ネタニヤフが首相に返り咲くことがあれば、ある極右政治家に恩義を感じることになるかもしれない。政界で暴れ回るその人物の言動が、停滞するイスラエル政治に飽き飽きしている有権者を惹きつけているからだ。

極右政治家ベン・グヴィールとは

 世論調査によれば、右派のベザレル・スモトリッチ率いる宗教シオニスト党と、同党と共同選挙名簿を作って共闘する極右イタマール・ベン・グヴィールの「オツマ・イエフディット(ユダヤの力)」は、議席数120の国会で合わせて13議席を確保する可能性がある。そうなれば、46歳のベン・グヴィールは、ネタニヤフの保守連立政権を実現する「キングメーカー」の地位を手に入れることになる。2007年に人種差別の扇動および米・イスラエルがテロ組織に認定したグループの支援で有罪判決を受けた男にとっては大躍進だ。同時にそれは「親しみやすい極右」という新たなブランディングの成功も意味する。

カテゴリ: 政治
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