【Analysis】女性の権利弾圧を「ハメネイ後継」への布石にするイラン・ライシ大統領

2022年10月29日
タグ: イラン
エリア: 中東
ハメネイ師後継が有力視されるライシ大統領だが、候補は他にもいる[2022年10月4日] (C)Reuters
ヒジャブ問題に端を発した反政府デモは皮肉にも、ライシ大統領に「ポスト・ハメネイ」としての評価を高めるチャンスをもたらしている。厳しい弾圧の背後に見え隠れするのは、女性の権利を制限することで、イスラム共和国の強化を目指すハメネイ師の意を迎えようとする政権の姿だ。

[ドバイ発(ロイター)]女性の権利を厳しく制限しようとするイランのエブラヒム・ライシ大統領の強硬姿勢は、それが一層の抗議運動を招き、支配層とイラン市民との間の溝を深めている。一方で、保守派の中での彼の立場を強め、イラン最高の地位である宗教最高指導者への道を開くことになるかもしれない。ロイターが取材した3人のアナリストと改革派の政府高官が語った。

 ライシが保守強硬派の支配する選挙管理体制下で大統領に選ばれたのは、昨年6月。今から振り返ると、ハサン・ロウハニ前政権下でより現実的で穏健だったイランはあの時、終焉を告げた。

カテゴリ: 政治
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top