「世界の工場」として発展を遂げた中国が、今度は人民元の基軸通貨構想に動き出した。中国の狙いは果たして――。[北京発]金融危機が深刻化し、世界経済が混乱を極める中、中国の通貨・人民元の国際化に向けた動きが加速している。中国は何を狙い、どこを目指して進んでいるのだろうか。 * 中国人民銀行(中央銀行)は昨年十二月十二日、韓国中央銀行との間で千八百億元(約二兆六千億円)の自国通貨と引き換えに外貨を融通し合うスワップ協定を締結。その後、今年三月末までの間に香港、マレーシア、ベラルーシ、インドネシア、アルゼンチンとの間で、スワップ協定を次々とまとめ上げた。これらの協定によって海外に流出する可能性のある人民元は総額六千五百億元(約九兆三千億円)に達する。
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