世界の株式市場の黄金時代は終わろうとしている?
Foresight World Watcher's 6Tips

今週もお疲れ様でした。「法人税率と金利の引き下げ」は、長年にわたって日本経済を復活させる必須メニュー的な位置づけでした。ところが英エコノミスト誌は、「法人税率と金利の引き下げ」こそが現在のアメリカほか世界的な株高を演出している、いわばチートだと指摘します。曰く、これを除けば「根本的な利益の伸びは、それほど目覚ましいものではない」。インフレが長引き、政府財政が緊張を強いられる局面に入ったいま、すでに株式市場の黄金期は終わろうとしているとの懐疑論は、確かに踏まえておく必要がありそうです。
フォーサイト編集部が週末に熟読したい記事、皆様もよろしければご一緒に。
Stockmarkets are booming. But the good times are unlikely to last【Economist/2月25日付】
A golden age for stockmarkets is drawing to a close【Economist/2月29日付】
「株式市場はブームに沸く。だが、いい時代は続きそうにない」(2月25日付)
「株式市場の黄金期が終わろうとしている」(2月29日付)
これは英「エコノミスト」誌サイトが最近続けて掲載した、世界的な株高の行方についての懐疑的な記事だ。雑誌版ではそれぞれ「地平線上の諸問題(Problems on the horizon)」「相場はどこまで上昇できるか(How high can markets go?)」という抽象的でおとなしめな見出しを付されていることを考えると、オンライン版のタイトルの刺激的なストレートさがいっそう強く感じられる。
「~いい時代は続きそうにない」の方は米国およびそれ以外の株式市場について、これまでの好調ぶりやその要因を並べたうえで、「プロの投資家だけでなく、その多くが疑問を抱いている。株式市場の急騰は持続可能なのだろうか、それとも調整の前兆なのだろうか?」と首を傾げてみせ、次のように続ける。
「今日、おなじみの破滅論だけでなく、学者や市場研究者たちが、米国企業が近年の株式市場での驚異的なリターンを再現しながら長期成長するのは難しいだろうと声を揃えて主張している。米連邦準備制度理事会(FRB)のマイケル・スモリャンスキー氏は、『ひとつの時代の終わり』について書き、『将来の利益成長と株式リターンは著しく低下する』と警告。ゴールドマン・サックスは『過去30年間の追い風は、今後数年間はあまり期待できそうにない』と示唆している」

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