インドのフラッグ・キャリア「エア・インディア」が経営危機に瀕している。航空旅客の減少で運転資金を手当てできず、六月の給与支払いを二週間先送りしたうえ、幹部には七月給与の自主返上を要請した。サービス意識の希薄な国営企業体質が招いた顧客離れは深刻で、再建への道のりは険しい。 エア・インディアを運航するのは国営インド航空公社。二〇〇七年に国際線主体だった旧エア・インディアと国内線のインディアン航空が経営統合して発足した。商業都市ムンバイのアラビア海に臨む一等地に高層の本社ビルを構え、従業員数は三万一千人。そんな同社を長年の経営不在が蝕んだ。
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