Weekly北朝鮮『労働新聞』 (86)

最高人民会議開催、「南北統一放棄」の憲法改正は明らかにされず(2024年10月6日~10月12日)

執筆者:礒﨑敦仁 2024年10月15日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
朝鮮労働党創建79周年の慶祝宴に娘(左)とともに出席した金正恩国務委員長(C)EPA=時事
韓国を「第1の敵対国、不変の主敵」と定める憲法改正が今年1月に指示されていたが、今回の最高人民会議で対南政策に関わる改正がなされたのか、現時点では明らかにされていない。金正恩は武力統一について「今は全く関心がない」と語りつつも、韓国の尹政権に対して激しい非難を繰り返している。【『労働新聞』注目記事を毎週解読】
 

 10月9日付は、最高人民会議第14期第11回会議が7日、8日の両日に開催されたことを報じた。今期から代議員ではなくなった金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は出席しなかった。議題は、①憲法の一部内容を修正補足することについて、②軽工業法を審議採択することについて、③対外経済法を審議採択することについて、④品質監督法執行の検閲監督状況について、⑤組織問題(人事)であった。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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