
遺言書は家族に対する人生最後のラブレター(写真は本人提供)
――遺言書は人生最後のメッセージを伝える大事な書類ですが、実際に書いたことある人は少ないように思えます。
遺言書は、被相続人(亡くなった方)の方が、自分の想い通りの遺産相続を実現するため、そして、遺された家族が争うことなく、速やかに相続手続きを進めることができるようにするために、作成しておくとよい書類です。
特に遺産を法定相続分に従って分けたくない場合は、遺言書を書いておく必要があります。例えば、相続先の子供たちが2人兄弟で、一方に多く財産を残したい、自治体や特定非営利活動法人(NPO法人)など自分の思いを実現してくれるような組織に遺贈寄付したい場合などは、遺言書を作成することで、自分の意思通りの相続が行われる可能性が高くなります。
一方で、被相続人の想いのままに、法定相続とは異なる内容だけが書かれた遺言書を作成しても、私の実務の経験上、高い確率で、遺族間の遺産を巡るトラブルに発展してしまうのではないかと思います。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン