「今週のトランプ」ラウンドアップ
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トランプ大統領の発言とアクション(7月3日~7月9日):新関税の書簡送付で「筆頭扱い」日本の合意への糸口とは
日本には「わずかに(only)25%の関税を課す」という[日本宛の書簡を示すホワイトハウスのレビット報道官=2025年7月7日、アメリカ・ワシントンDC](C)AFP=時事
石破流「なめられてたまるか」と欧州の「チャーム・オフェンシブ」の差
「チャーム・オフェンシブ」とは、自身の魅力を生かして目的を達成しようとする試みを意味する。2016年の米大統領選直後、勝利したドナルド・トランプ氏との会談に向け真冬のニューヨークへ乗り込んだ安倍晋三首相(当時)は、まさにその好例と言えよう。
安倍氏の成功は、その後の各国首脳のトランプ対策にも生かされている。キア・スターマー英首相とトランプ大統領は6月16日、主要7カ国(G7)首脳会議の最中に米英の貿易協定に署名した。記者団の前でトランプ氏が合意書を取り出すと、風が吹き文書が散らばってしまう。これを跪いて拾ったのがスターマー氏だ。
出所:Forbes Breaking News/YouTube
北大西洋条約機構(NATO)首脳会議では、トランプ氏と会談したマルク・ルッテ事務総長が「ダディ(「父親」から転じて、「権力者」「強者」などを含意している)は時に厳しい言葉を使わなければならない」と茶目っ気たっぷりにコメント。これは、トランプ氏が停戦合意後も攻撃を止めないイスラエルとイランに業を煮やしFワードを口にしたことについて、面目を立てるかのようにユーモアで切り返したものだ。
スターマー氏とルッテ氏は、一部では「媚びへつらった」と批判されたが、むしろ実利に配慮した行動と言えよう。英国はトランプ政権との貿易協定に署名に漕ぎつけたことで
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