“frenulate siboglinids”と呼ばれるチューブワームの種がヘモグロビンを含んだ赤い触手を伸ばす。触手の近くに管の先端があり、小さな貝類が付いている。海面下9320メートル、太平洋北西部のWinterstreet Valleyと呼ばれる区域で見つかった (C)Institute of Deep-sea Science and Engineering, CAS (IDSSE, CAS)/Handout via REUTERS
[ロイター]化学合成生物が群がる様子は、まるで深海のオアシスのようだ。群集は、研究チームが千島・カムチャツカ海溝とアリューシャン海溝を有人潜水艇で探査した際に発見された。群集は主にチューブワーム(円筒の殻の中で生きるミミズ状の動物)と二枚貝からなっていた。これらの動物は日の光が届かない極寒の環境で、硫化水素やメタンを豊富に含む海底から湧き出す液体を栄養にする。
これらの生態系は、地球最高峰のエベレスト山の標高を超える深度で発見された。最も深い生態系は千島・カムチャツカ海溝の海面下9533メートルで見つかり、これまで見つかった最深の化学合成生物の群集よりも約25%深かった。
「今回の発見で画期的なのは深度そのものに加え、化学合成生物の数が多く、多様性に満ちていたことだ。孤立した小さな群れではなかった。果てしない深海の砂漠に広がる豊かなオアシスのようだ」と中国科学院・深海科学工程研究所(IDSSE)の海洋地球化学者で、7月30日に学術誌『ネイチャー』に発表された論文の共著者であるMengran Du氏は述べた。
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