トランプ大統領の発言とアクション(9月25日~10月2日):米政府閉鎖は共和党に「棚からボタ餅」
争点はヘルスケア、民主党は「不法移民ファースト」?
米国の会計年度末である9月30日、つなぎ予算が成立せず政府機関の閉鎖が迫る中、ホワイトハウスはX(旧Twitter)で秒読みを開始した。世界的ヒットを記録したキーファー・サザーランド主演のドラマ『24 -TWENTY FOUR-』のごとくリアルタイムで進行していく演出のもと、タイムリミットである10月1日午前0時まで、刻一刻とカウントダウンされていく。その時刻表示の下に浮かび上がった煽り文句は、「民主党による閉鎖(DEMOCRAT SHUTDOWN!)」だった。
政府機関の閉鎖は、ドナルド・トランプ政権1期目の2018年12月から19年1月以来、約7年ぶりとなる【チャート1】。今回、政府機関の閉鎖を余儀なくされた理由は、上院民主党が下院で通過したつなぎ予算案に反対したためだ。
下院は9月19日、11月21日まで約7週間のつなぎ予算案を賛成217票、反対212票で可決した。しかし、上院は共和党が53議席、民主党系が47議席の勢力で、議事妨害(フィリバスター)を阻止して最終採決に進むための討論打ち切り(クローチャー)に原則60票が必要だ。同日、下院で可決済みの共和党のつなぎ予算案だけでなく、民主党の提案も否決され、以降の交渉は暗礁に乗り上げたままだ。
民主党が共和党のつなぎ予算に反対する理由は、共和党のみで成立した「一つの大きく美しい法(OBBBA、足元でトランプ政権は「The Working Families Tax Cut Act=WFTCA」と呼ぶ)」に起因する。
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