コール前首相のヤミ献金疑惑、シュレーダー首相の弱体化で「ワイマール末期状態」に
[ベルリン発]ドイツ政界が迷走を始めた。前政権の金権腐敗ぶりが次々に暴露され、検察当局はついにコール前首相の本格捜査に着手。政治への信頼が音を立てて崩れる一方で、低迷状態にあったシュレーダー政権は「漁夫の利」を得た格好になった。
だが、同政権は「新中道路線」の形骸化、地方選の連敗などで、政策実現機能を失い弱体化しているのが実状だ。国民の間には閉塞感が拡がり、左右の旧勢力が伸びるなど「政治の液状化」が進んでいる。このまま政治空白が続けば、ドイツは統合欧州を脅かす発火点にさえなりかねない。

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