末期症状を思わせるマハティール政権の醜悪

執筆者:Foresight 2000年4月号
エリア: アジア

 アンワル前副首相逮捕による党内の対立激化を避けるため、一年延期されたマレーシアの与党・統一マレー国民組織(UMNO)の役員選挙が五月十一日に迫った。マハティール首相の党総裁就任は確実で、注目はナンバー2の筆頭副総裁ポストだったが、ダークホースとみられたラザレイ元蔵相が脱落し、アブドラ・バダウィ副首相が選出されることがほぼ決定的になった。 これに安心したのか、政府・与党はこのところ、野党の徹底的な締め付けに出ている。アンワル逮捕以降、政府批判で急激に部数を伸ばしたイスラム野党PASの機関紙を週二回刊から月二回刊に制限したのもその一つ。反発した野党支持者が三月に抗議デモを行なったが、警察当局はクアラルンプール市内での屋外集会禁止という強硬措置で対抗した。

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