灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(84)

執筆者:佐野美和 2020年1月19日
カテゴリ: カルチャー
エリア: アジア
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』(ダヴィッド社、1956年)より)

「いい女の条件? 亭主に浮気をされたことがないようでは一人前の女性とはいえないわ」

「いい男の見分け方? ふふっ、誰に聞いているんですか? 私にそんな見分け方の才能があったら夫に捨てられて1人で暮らしてやしませんわよ」

 昭和30(1955)年1月に、ニューヨークとパリへの出張から戻ってきたあきに、取材が殺到する。

 海外出張に1人で行った女性など大変珍しく、またその人物が、かつて「我らのテナー藤原義江」と呼ばれ今は「借金王 藤原義江」とも呼ばれる人の妻だからである。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top