「いい女の条件? 亭主に浮気をされたことがないようでは一人前の女性とはいえないわ」
「いい男の見分け方? ふふっ、誰に聞いているんですか? 私にそんな見分け方の才能があったら夫に捨てられて1人で暮らしてやしませんわよ」
昭和30(1955)年1月に、ニューヨークとパリへの出張から戻ってきたあきに、取材が殺到する。
海外出張に1人で行った女性など大変珍しく、またその人物が、かつて「我らのテナー藤原義江」と呼ばれ今は「借金王 藤原義江」とも呼ばれる人の妻だからである。
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