「危機管理がスローガンになったり、過去のエピソードとして語られている間は、いざというときに役立つ方法論に結びつくことはないだろう。危機管理とは、決して格好よくいくものではなく、手痛い犠牲と苦難の経験のなかから手づかみで教訓を積み重ねていくものだ」(大森義夫『「危機管理途上国」日本』PHP研究所刊 一五〇〇円)
JCOの臨界事故、官庁ホームページへのハッカー侵入、故小渕前首相緊急入院時の疑惑の首相臨時代理就任劇。相次ぐ事件の報道の際、必ずといっていいほど指摘されるのが、日本の「危機管理」体制の不備である。本書は、漠然と語られることの多いこの「危機管理」について考える上で、格好な入門書といっていい。
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