北朝鮮の金正日総書記の長男、金正男氏の身柄拘束劇の背後で、亡命説が根強くささやかれている。 公安当局によると、(1)過去の入国時には複数の随行員を伴っていたのに、今回は家族だけだった(2)トランクの中に大量の百ドル紙幣を所持していた(3)観光目的ならば、偽造旅券での入国は不自然――などが亡命説の論拠となっているという。 公安筋は、「身柄拘束情報のリーク、異例の国外退去など一連の動きは、亡命隠しとすれば、分かりやすい」と解説している。「男性が、亡命の意思表示をして、日本政府が慌てた可能性がある」(政府筋)と見る向きもある。

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