JFEグループと新日鉄グループに二分され、ひとまず再編の形が見えてきた鉄鋼業界。次の焦点は設備過剰の解消、つまり製鉄所の心臓ともいうべき「高炉」の廃棄だ。 国内不況、輸出減退の深刻化が、大手鉄鋼メーカーに鉄源(高炉=溶鉱炉)休止という究極の合理化を迫っている。供給能力が需要を二割も上回る需給不均衡を解消し、収益力を回復するには、生産設備の根源である鉄源を減らすしかない。 現在、日本で稼動中の高炉は三十一基。二割なら六基削減という大ナタが必要だ。雇用・地域経済の問題に直面するつらい選択だが、新日鉄・住友金属工業・神戸製鋼所・日新製鋼グループと、NKK・川崎製鉄グループ(JFE)の二大陣営に業界が再編された以上、次の焦点は「設備過剰の解消」に移らざるを得ない。
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