産業再生機構が使えない。産業再生法も再建ファンドも効果なし。官民挙げての「再生バブル」もそろそろ弾ける頃合いか?「ご提案して頂いていたことを検討して参りましたが(債権者などとの)調整に時間がなく、受け入れることはできません」。十月二十四日午後一時三十分過ぎ、東京・丸の内にある産業再生機構の会議室。ダイエーの高木邦夫社長は強ばった表情で手にしていたメモを棒読みした。目の前にいるのは同機構の斉藤惇社長、高木新二郎産業再生委員会委員長ら。 斉藤社長のいつもの甲高い声は影を潜め、小声で「残念です」と答えるのが精一杯だった。「支援先は小粒な案件ばかり」と後ろ指をさされる再生機構、汚名返上のチャンスがまた逃げる。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン