出先機関改革の行方

執筆者:原英史 2011年1月10日
カテゴリ: 政治
エリア: アジア

  年末年始をはさんでやや古い話になるが、国の出先機関の改革について、12月28日、「アクションプラン -出先機関の原則廃止に向けて」が閣議決定された。地域主権戦略会議での議論や政府・与党の調整を経た結果だ。

 
 題名は「原則廃止に向けて」となっているが、内容はどうか?
新聞報道などでは、各論で、ハローワークについて当面、国と地方の二重行政になったことが問題視されたが、問題はそれだけではないと思う。
より大きな問題は、閣議決定文書で(あるいは、地域主権戦略会議で提示された工程表をあわせ見ても)、基本的に「地方に移譲し、それに伴って人員も地方移管」という流れだけが掲げられていること。つまり、「地方に移譲するか、国に残すか」という選択肢だけになっているらしきことだ。
 
しかし、本来、国と地方の二重行政解消が大きな目的だったことを考えれば、
・「地方移譲」だけでなく、「廃止」(地方移譲はせず、本当の意味での廃止)
・「人員の地方移管」だけでなく、「人員の削減」
という柱がなければおかしいのではないか。
 
少なくとも、かつての民主党マニフェストで、「国と地方の二重行政を廃し・・出先機関を原則廃止」と言っていたのは、そういう意味だったのでないのか・・。
 
今後、政府では、検討・調整をさらに進めた上、平成24年通常国会に関連法案提出とのこと。
なぜ法案準備に1年以上もかかるのかも、ちょっと理解しがたいが、いずれにせよ、当面、国会でも争点にならずに放置されてしまう可能性がある。問題として指摘しておきたい。
 
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執筆者プロフィール
原英史 1966(昭和41)年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。政府の規制改革推進会議委員、国家戦略特区ワーキンググループ座長代理、大阪府・市特別顧問などを務める。著書に『岩盤規制―誰が成長を阻むのか―』、『官僚のレトリック』など。
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