安倍政権の成長戦略「岩盤規制改革」を阻んだ「国家の怠慢」

執筆者:原英史 2020年9月11日
タグ: 日本 安倍晋三
エリア: アジア
 

 安倍政権は、アベノミクスのスタート当初から、「第一の矢」(金融)と「第二の矢」(財政)は合格点だが、「第三の矢」(成長戦略)は落第、と言われ続けてきた。評価は覆らないまま、長期政権が終わった。

 成長戦略の一丁目一番地とされたのは、「岩盤規制」改革だった。

 当初の安倍晋三首相の意気込みは強かった。2014年のダボス会議では自ら「これから2年間で、ドリルですべての岩盤規制を砕く」と表明し、世界の注目を集めた。しかし、残念ながら成果は乏しく、課題は新政権に積み残された。

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執筆者プロフィール
原英史(はらえいじ) 1966(昭和41)年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。政府の規制改革推進会議委員、国家戦略特区ワーキンググループ座長代理、大阪府・市特別顧問などを務める。著書に『岩盤規制―誰が成長を阻むのか―』、『国家の怠慢』(新潮新書)など。
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