中東情勢緊迫化の中での国務副長官の交代

執筆者:足立正彦 2011年4月4日
エリア: 北米 中東

 オバマ政権の対中政策をはじめとする対アジア外交を積極的に展開してきたジェイムズ・B.スタインバーグ国務副長官が辞任する。3月29日に国務省で行われた定例記者会見で明らかになった。スタインバーグは今年夏からシラキュース大学マックスウェル行政大学院の学院長に就任することが、翌30日に同大学の公式サイト上で正式に発表された。【リンク

 スタインバーグはオバマ政権入りする前は、ワシントンD.C.にある民主党寄りの有力シンクタンクであるブルッキングス研究所の副所長を経て、2006年1月からテキサス大学リンドン・ジョンソン公共政策大学院の学院長に就任していた。かなり以前からスタインバーグは国務副長官職を辞してジョージタウン大学などのキャンパスでの学究生活に再び戻ることを希望しているとの憶測が流れていた。そのため、今回の辞任発表はある程度織り込み済みであった。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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