オバマ米大統領がオサマ・ビンラディン容疑者殺害を発表した翌2日、大統領の命を受けた特使がひそかにパキスタンの首都イスラマバードを訪問した。 この特使はパキスタンに対し、パキスタン情報機関幹部がアルカイダと接触したかどうか突き止めるため、これら幹部のリストを要求した。特に米側は、パキスタン3軍統合情報総局(ISI)のS部の現状に関する情報提供を求めたという。 S部は、冷戦末期のソ連軍アフガニスタン侵攻の際、ビンラディンを含むイスラム教原理主義組織と協力してソ連軍と戦った。 この数カ月間、米国、パキスタン両国の情報機関の間では、同盟国とは思えないほど、激しいやり取りが交わされてきたが、ビンラディン殺害後、その対立が深刻度を増した。 米国側は、パキスタンが事実上ビンラディン容疑者を匿っていた疑いを強め、これに対しパキスタン側は一部の米中央情報局(CIA)工作員の米国への帰国を要求している。
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