後に振り返れば2011年の初夏は、85歳のエリザベス英女王にとって、元首としての役割を最大限に果たした最後の大舞台、と言われるようになるかも知れない。
4月末、王位継承順位では第2位のウィリアム王子のロイヤル・ウェディングと大レセプションをとり仕切った。5月中旬には隣国アイルランドを、その独立(1937年)以来初めて英君主として訪問した。5月24-26日にはオバマ米大統領夫妻を国賓として迎えた。1カ月に3つの重要行事。女王には、それらを英国の元首として細心かつ威厳をもってとり行なうことが求められ、気の休まる間もなかっただろう。

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