茶会党勢力伸長の「落とし穴」

執筆者:足立正彦 2011年8月29日
エリア: 北米

 2012年共和党大統領候補選出プロセスで最も注目されるのはティーパーティー(茶会党)支持勢力が同プロセスにもたらす影響力である。オバマ政権が発足した翌月の2009年2月17日に7870億ドルの大型景気刺激策「2009年米国再生・再投資法(ARRA)」が成立した後で、全米各地で自然発生した保守派有権者の草の根政治運動である茶会党運動が台頭してから2012年大統領選挙は初めての大統領選挙となる。2年半前の茶会党運動発生当時、茶会党支持勢力の隆盛を支えているのは米国の現状に対する「怒り」や「苛立ち」であり、米国経済が回復した場合、茶会党運動も1992年大統領選挙キャンペーン当時の「ロス・ペロー旋風」のように、次第に影響力を低下させていくとの見方が専門家らの一致した見方であった。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top