エジプトの選挙は結果だけでなく「プロセス」が意味深い

執筆者:池内恵 2011年12月27日

 エジプトの人民議会(国会)議員選挙が進む。各投票所への判事による司法監視が義務付けられたため、主に人員の関係から投票は地域ごとに3段階に分けて行われる。比例代表の諸選挙区に全体の議席の3分の2が、残りの3分の1は定数2の小選挙区(社会主義時代の名残で「農民」か「労働者」に1議席、その他の「専門職」に1議席が割り当てられているため、実際には各候補者は1つの議席を争う)に割り当てられている。

  11月28日・29日(小選挙区の決選投票は12月5・6日)の第一次投票に続き、12月14・15日(小選挙区の決選投票は12月21・22日)には第二次の投票が行われ、12月24日にはその結果発表がなされた。

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執筆者プロフィール
池内恵(いけうちさとし) 東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』(同)などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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