近いものを遠くに見せ、遠くのものを近くに映し出すのが記憶であり、また人の心であるとすれば、サッカー欧州選手権(ユーロ2012)のグループステージA組、ロシア・ポーランド戦(6月12日)を契機に起きた両国サポーターの大規模衝突は、過去の憎悪の歴史をまざまざと間近に見せる事件だった。
フーリガン同士の喧嘩の常として、どちらが悪いのかを吟味しても意味はないが、ロシアのサポーターがロシア国旗を掲げてワルシャワ市内を行進したことが、ポーランド側には許せない挑発と感じられたようだ。ポーランド警備当局は放水銃や催涙弾も使って鎮圧し、双方合わせて約180人を拘束する騒ぎになった。
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