「ヒスパニック系」「中西部」が鍵となる共和党副大統領候補

執筆者:足立正彦 2012年7月9日
エリア: 北米

 フロリダ州タンパで8月27日から開催される共和党全国党大会まで約1カ月半となった。共和党大統領候補の指名獲得を事実上確実にしているミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事は、共和党全国党大会開催前までに1つの重大な判断を下さなければならない。それはロムニーがホワイトハウス奪回に向けて大統領選挙キャンペーンをともに戦う共和党副大統領候補の指名である。

 リック・サントラム元上院議員(ペンシルベニア州)が共和党大統領候補指名獲得争いから撤退し、ロムニーが共和党大統領候補指名獲得を事実上確実にした今年4月上旬、ロムニーは自らの選対本部のベス・マイヤーズ上級顧問を副大統領候補検討委員会の委員長に任命した。マイヤーズ女史はロムニーがマサチューセッツ州知事時代(2003年1月-2007年1月)に首席補佐官を務め、前回の2008年共和党大統領候補指名獲得争いにロムニーが出馬した際にも選対本部長を務めており、ロムニーに長年仕えてきた側近中の側近である。現在、ロムニーをはじめ少数の極めて限られた関係者により共和党副大統領候補の検討が慎重かつ徹底的に行なわれており、部外者には知る由もない。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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