衆院解散・総選挙はいつ実施されるのか。全国会議員と政治関連メディアの現在の最大の関心事はそこにあると言っていい。 野田佳彦首相は8月8日、国会内で開かれた谷垣禎一自民党総裁、山口那津男公明党代表との3党首会談で、自公両党が望んでいる衆院解散・総選挙について、「近いうちに国民に信を問う」と明言した。その見返りとして、自公両党は、野田首相が政治生命を懸けていた消費税増税法案に賛成票を投じ、成立に協力した。3党の取り引きが成立したわけである。 つまり、解散は「近いうちに」行なわれる。だから、具体的な解散時期を予測するには、野田首相が「近いうちに」という言葉にどんな意味を込めたのかを探らなくてはならない。 だが、結論から先に言えば、「近いうち」という言葉が意味する範囲を解釈する作業はまったく無意味だ。また、「近いうち」という言葉は脇に置いて、実際問題として野田首相がいつ衆院を解散しようとしているのかという胸中を詮索する作業もあまり意味はない。なぜなら、「近いうち」という言葉は単なる思いつきにすぎないし、そもそも野田首相は時期をまだ決めていないからである。

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