ボランティアが支え続ける浜の復活――石巻市・牡鹿半島の今

執筆者:寺島英弥 2012年12月11日
タグ: 自衛隊 台湾
エリア: アジア

 11月、石巻市の牡鹿半島を何度か訪ねた。昨年3月11日の津波で集落という集落が壊滅し、約1.2メートルもの地盤沈下が起きた浜々は、がれきの山が消えて岸壁は真新しいコンクリートでかさ上げされ、主産業である養殖ガキの水揚げ、出荷が始まっていた。ほとんどの浜は津波により、膨大な数の種ガキを、いかだもろとも流された。漁業者たちは生業を続けるか否かの厳しい選択を強いられ、船や資材、新たな種ガキ購入のための借財を抱えて、仮設住宅から、まさしくゼロからの再出発をきった。

 

 カキ初出荷にこぎ着けた福貴浦

 

カテゴリ: 社会
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執筆者プロフィール
寺島英弥(てらしまひでや) ローカルジャーナリスト、尚絅学院大客員教授。1957年福島県相馬市生れ。早稲田大学法学部卒。『河北新報』で「こころの伏流水 北の祈り」(新聞協会賞)、「オリザの環」(同)などの連載に携わり、東日本大震災、福島第1原発事故を取材。フルブライト奨学生として米デューク大に留学。主著に『シビック・ジャーナリズムの挑戦 コミュニティとつながる米国の地方紙』(日本評論社)、『海よ里よ、いつの日に還る』(明石書店)『東日本大震災 何も終わらない福島の5年 飯舘・南相馬から』『福島第1原発事故7年 避難指示解除後を生きる』(同)、『二・二六事件 引き裂かれた刻を越えて――青年将校・対馬勝雄と妹たま 単行本 – 2021/10/12』(ヘウレーカ)、『東日本大震災 遺族たちの終わらぬ旅 亡きわが子よ 悲傷もまた愛』(荒蝦夷)、3.11以降、被災地で「人間」の記録を綴ったブログ「余震の中で新聞を作る」を書き続けた。ホームページ「人と人をつなぐラボ」http://terashimahideya.com/
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