深層レポート 日本の政治
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「外交の最少失点」と「経済の最高得点」目指す安倍首相
昨年12月26日に第2次安倍内閣が発足してから約2週間が経過した。この間に安倍晋三首相が打ち出した政策には、顕著な2つの傾向がある。1つは外交的にできるだけ失点を抑えようとしていること、もう1つは経済的にできるだけ得点を上げようとしていること、である。
外交上の最少失点と経済上の最高得点。これが安倍内閣の序盤のキーワードだ。安倍首相は夏の参院選で勝利して、衆参ねじれ状況を解消し、思い通りの政治を遂行するためには、これが最善の戦略だとにらんでいるようだ。
「最も重要な2国間関係」
外交上の失点を抑える上で、1番やっかいなのは、歴史認識や領土をめぐって以前からぎくしゃくしている中国、韓国との関係だろう。安倍首相は昨年12月17日の記者会見や31日付の産経新聞に掲載されたインタビューで、中国との関係についてこんなふうに表現した。

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