日独関係と言うと、戦前・戦中の枢軸構築の記憶も手伝い、今も友好的な雰囲気が続いているかのような漠とした印象があるかもしれないが、所詮、国際社会とは国家と民族が自らの利得を求めて渡り合う、生き馬の目を抜く世界にほかならない。
欧州危機に一服感が漂う中、メルケル・ドイツ首相は「アベノミクス」の柱である金融緩和策に非を鳴らし、これに歯止めを掛ける「対日包囲」の先頭に立つ決意を明らかにした。ドイツ指導部は、安倍政権・日銀の大規模な金融緩和による円安誘導を「為替操作」と断じ、切り下げ競争という名の「世界通貨戦争」を誘発するとの懸念を表明。2月半ばにモスクワで開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で、「日本問題」を重要議題として取り上げる構えだ。日本は金融政策を巡り、欧州勢を率いるドイツとぶつからざるを得ない雲行きになってきた。
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