ダイエー処理の「無様な延長戦」

執筆者: 2004年10月号

金融庁と産業再生機構の目論見は、ウォルマートなど新たな役者が登場する中で足下から崩れて行った。 ロッテ・重光昭夫オーナー代行は、事の不可解さに唖然としたに違いない。近鉄とオリックスの統合に続くプロ野球の“もう一つの合併”は、「ロッテ―ダイエー」の組み合わせが本命だった。 重光オーナー代行がダイエーに統合の秋波を送った七月中旬。ダイエーの中内正オーナーがそれに対して前向きな回答をした時点から、パ・リーグ再編=一リーグ制への移行というシナリオは一気に現実味を増し始めた。 結局は幻に終わったこの球団合併にも、ダイエー本体の処理は密接に絡んでいた。本体のメーンバンク三行は「産業再生機構入り」を唱えている。そして本体が再生機構入りすれば、プロ野球協約に引っ掛かる可能性が高いため機構が球団を手放すと見られていたのだ。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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