「父は晩年……自らを評して、『まことに無邪気で他愛のない人間』と分析している。その無邪気さ、他愛のなさが、どれだけ身近の人間を破滅させ、精神の髄まで抜いてしまったかについては頓着なく」(辻井喬『父の肖像』) * コクド・西武鉄道グループのあっけない凋落について、おそらく総帥の堤義明自身、いったい何が起こり何が進行しているのかを、現在でも十分に理解できていないのではないか。 三月の西武鉄道の総会屋に対する利益供与事件、そして半年後に表面化した、西武鉄道の株主についての虚偽記載問題をきっかけに、堤義明は西武グループのあらゆるポストから退任し、西武鉄道の株価は急落している。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン