「ウォール・ストリートを打ち負かした中国おばさんパワー」
大手メディアにしては品格を感じさせない、こんな見出しが先月下旬、『人民日報電子版』や『広州日報』 はじめ中国の主要紙を飾った。4月中旬に金相場が暴落した際に中国の一般庶民、とりわけ女性がここぞとばかりに金買いに走り、わずか10日間で合計300トンの金が中国の個人によって購入された。これで金相場の下落を狙った米金融界のもくろみは崩れ、相場が押し戻される原動力になった、という趣旨だった。先進国では「ついに金相場が調整に入った」という悲観的な見方が広がり、買いに回る人は少なかったが、中国ではまったく逆だった。記事の狙いは中国の購買力とグローバル市場への影響力を誇示することだった。
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