「内なる脅威(Insider Threat)」――。赤狩りのマッカーシズムが吹き荒れていた冷戦真っ盛りの1950年代、米政府内に潜入したとされる共産主義者のことを、反共派はそんな言葉で表現していた。
今また、オバマ政権が同じ言葉をタイトルに掲げて「国家内部脅威政策(National Insider Threat Policy)」と呼ぶ新政策を推進していることが分かった。今度は、赤狩りではなくて、国家安全保障に関する情報漏洩を摘発するプロジェクト。敵は共産主義者ではなくて、情報を漏らす政府職員である。

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