堕ちゆく世界の迷走 (37)

中国「対日姿勢」の変化と独「メルケル」勝利が意味するもの

 勝利の花束に顔をほころばせるメルケル首相 (C)AFP=時事
勝利の花束に顔をほころばせるメルケル首相 (C)AFP=時事

 世界を震撼させたリーマン・ショックから5年。夏場の世界経済を覆っていた暗雲は、ひとまず取り払われようとしているのだろうか。欧州の底割れと中国の失速が回避されそうだとの報に、不思議な安堵感が広がっている。

 この安堵感から多大な恩恵を受けた人物が2人いる。日本の安倍晋三首相であり、ドイツのアンゲラ・メルケル首相である。安倍首相にとって決戦の場はアルゼンチンのブエノスアイレスだった。2020年の東京五輪を勝ち得たことは、久々の日本外交の勝利である。

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