アネクドート生存の鍵・プーチン

執筆者:名越健郎 2005年9月号
エリア: ヨーロッパ

 モスクワで暮らす筆者にとって、楽しみはロシア人から最新のアネクドートを収集すること。ソ連解体後、傑作は減ったものの、小話はロシア社会を映す鏡でもある。 ロシア文化の結晶と言うべきアネクドートは、ギリシャ語の「アネクドトス(地下出版)」から来ており、帝政時代からロシアの伝統だった。したたかなロシアの民衆は、歴史の動乱を横目に仲間内のアネクドートで憂さを晴らし、事態を諦観してきた。 アネクドートが異常に発達したソ連時代、民衆は社会主義に盲従のそぶりを示す一方、裏では小話で痛烈に批判、冷笑しており、ソ連解体の原動力になったと言っても言いすぎではない。

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執筆者プロフィール
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)、『北方領土はなぜ還ってこないのか』(海竜社)など。
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