12月9日、タイのインラック首相は下院の解散を発表した。反政府勢力がバンコク市内各所で続ける政府機関庁舎の占拠やデモの拡大に手を焼き、手を打たざるを得なくなったわけだが、決して追い込まれていたわけではない。解散には2つの理由があっただろう。
1つは、比較的好調な経済への打撃を回避する狙いだ。2013年のタイ経済は前年に比べれば、減速した。12年は通年で6.5%の成長率だったが、13年1-3月期は5.4%、4-6月は2.9%、7-9月期は2.7%にまで減速した。13年通年では3.0%前後の成長と見込まれている。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン