プーチンが狙う「ミニ・ソ連」の野望とは

 ロシアが実効支配したウクライナ領クリミア自治共和国で、ロシアへの編入の是非を問う住民投票が3月16日に実施される。これを受けてロシア下院はクリミア併合を可能にする憲法改正作業を進めている。国際社会は一切無効と非難しているが、ロシアは国際的孤立を無視して突っ走る構えだ。

 

21日にも改憲成立か

 住民投票では、(1)クリミアのロシア連邦編入を支持するか(2)クリミアは自治を大幅に拡大してウクライナ領にとどまるか――の2つの設問が問われる。3万のロシア軍が展開する中での恐怖投票で、ロシア編入が7割以上の支持を集めるとみられている。クリミア議会はすでに、警察組織や自治共和国の機関をウクライナ政府から分離する決定をしており、ロシア編入の既成事実化を進めている。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 拓殖大学海外事情研究所客員教授。1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所客員教授。国際教養大学特任教授、拓殖大学特任教授を経て、2024年から現職。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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