日本国内では、移民問題に対して決して敏感であるとは言えないし、蚊帳の外にある問題であろうが、一方、米国にとっては基本問題であり、移民政策は常に政治の中心に置かれてきた。このような事情に鑑み、移民問題と米国政治について今少し論考を試みたい。
構造的要因
2月2日付の日本経済新聞の「風見鶏」欄に、特別編集委員の伊奈久喜氏による「なぜ日本は『共和党』なのか」という刺激的な論考が掲載された。伊奈氏によると、最近の日米関係がぎくしゃくしているのは「日本が政治家も官僚もメディアも、オバマ政権与党の民主党ではなく、共和党に傾斜しすぎている」という「構造的要因」があるからだという。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン