インドネシアが「ミャンマー民主化」を促す理由

執筆者:黒瀬悦成 2006年3月号
エリア: アジア

孤立を深めるミャンマーに対しASEAN各国の働きかけが活発化している。中でもインドネシアは積極的に――。[ジャカルタ発]民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チー氏の軟禁を続けるなど、欧米先進諸国からの民主化圧力に馬耳東風の体のミャンマー軍事政権に対し、「東南アジア諸国連合(ASEAN)の盟主」とされてきたインドネシアとマレーシアが事態打開の処方箋を示すべく動きを活発化させている。中でも、積極的なのが、スハルト第二代大統領の長期支配体制を脱し、いまや東南アジアの「民主化の旗手」を自任するインドネシア。その対ミャンマー政策は、「民主と人権」を旗印にASEANが二〇二〇年までの構築を目指す「共同体」実現の可否を占う試金石と見なされつつある。

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