人民銀と改革委が対立「インフレ/デフレ論争」

執筆者: 2006年4月号
タグ: 経済 中国
エリア: アジア

 中国人民銀行(中央銀行)と国家発展改革委員会の論争が起きている。人民銀がインフレ懸念に警鐘を鳴らすのに対し、改革委はデフレ圧力こそが問題と主張する。 まずは人民銀が二月に出した「貨幣政策執行報告」。ガソリンなど政府が低く抑えている公定価格の見直しが近いことを示唆し、実現すれば価格上昇を招いて「隠れたインフレを解き放つ」と指摘した。生産過剰で鉄鋼などの価格が下がっていることにも触れてはいるが、その後のくだりで「調査によると四一・七%の人が物価上昇を、四・三%が下落を予想している」と自説を駄目押しした。論争には有力メディアや学者も積極参加。例えば有力経済紙『二十一世紀経済報道』は二月末に、人民銀と同じ観点から「デフレ論が次第に遠ざかっている」と報じている。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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