かつてのソ連で、こんな古典的なジョークがあった。収容所に3人の男がいて、1人が「私の罪は同志カガノーヴィチ(スターリンの側近)を批判したことです」と言った。もう1人が「私の罪は同志カガノーヴィチを賛美したことです」と言った。そこにいた最後の1人に、2人が「君は?」と聞いたら、「私がカガノーヴィチだ」と答えたという話である。
これは、あらゆる人間を逮捕してしまうスターリン時代に象徴される粛正の大規模さ、無差別性を表現したもので、3人目の人物はポポフだったり、フルシチョフだったり、いろいろと入れ替わるのだが、ジョークそのものの出来がいいので今日まで語り継がれている。

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